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【完全ガイド】犬や猫の熱中症は夏だけじゃない?|【種類別】予防策から万が一の対処法まで

  • 執筆者の写真: 侑姫 福原
    侑姫 福原
  • 6 日前
  • 読了時間: 6分

「動物が熱中症になるのは夏だけ」と思っていませんか?たしかに、夏の炎天下やキャンプ、海、バーベキューなどのレジャーでは熱中症のリスクが高まります。しかし実は、犬や猫、さらにはウサギやフェレットなどのエキゾチックアニマルにとっては、春のぽかぽか陽気や秋の残暑、冬の暖房が効いた室内でも熱中症の危険があるのです。


動物たちは自分で体温をうまく調節することができないため、飼い主様が異変に気づいたときには、すでに症状が進行しているケースも少なくありません。


そこで今回は犬や猫、エキゾチックアニマルの熱中症について、症状の見分け方から予防策、応急処置などをご紹介します。



動物の熱中症とは?

熱中症とは体温の調整がうまくいかず、体内に熱がこもってしまう状態のことを指します。動物は、人間のように汗をかいて体温を下げることができないため、暑さや湿度の変化にとても敏感です


たとえば、飼い主様が仕事から帰宅すると、「犬がぐったりしていた」あるいは「ウサギの体が異常に熱くなっていた」というような症状がきっかけで来院されることも少なくありません。


特に注意したいのは、熱中症は屋外だけの問題ではないということです。夏の直射日光だけでなく、日当たりのよい窓辺や風通しの悪い室内、暖房の効いた部屋でも発症する可能性があります。



動物別の熱中症の特徴

熱中症を発症した際に現れる症状は、以下のように動物の種類によって異なります。



<犬の主な症状>

・呼吸が荒くなる(パンティング)

・よだれが多い

・ぐったりする

・意識がぼんやりする



<猫の主な症状>

・涼しい場所から動かない

・食欲がない

・口を開けて呼吸する(重症時)



<ウサギ・フェレットなどのエキゾチックアニマルの主な症状>

・耳が熱くなる

・呼吸が速くなる

・横たわる

・食欲が低下する



熱中症になりやすい動物

「熱中症=短頭種に多い」というイメージを持たれている方も多いかもしれません。実際に、パグやフレンチ・ブルドッグなどの短頭種は、鼻や喉の構造に特徴があり、もともと呼吸がしにくいため、熱中症のリスクが高いとされています。しかし、当院での診察経験から言えるのは、こうした犬種に限らず、どの動物でも熱中症には十分な注意が必要だということです。



特に気をつけたいのが、毛量が多い小型犬や長毛種の猫です。こうした種類の動物は被毛に熱がこもりやすく、飼い主様が暑さに気づきにくいこともあり、症状が重くなってから来院されるケースも少なくありません。


また、ウサギやフェレットなどのエキゾチックアニマルは、犬や猫以上に体温調節が苦手です。特にウサギは熱に弱く、風通しの悪い場所にいるとわずかな時間で体温が急上昇し、命に関わる危険性があります。



効果的な予防策と万が一の時の対処法

動物の熱中症を防ぐための予防法と、万が一かかってしまった場合の応急処置は以下の通りです。



<犬の場合>

予防法:日中の暑い時間帯の散歩は避け、早朝や夕方の涼しい時間に行うようにしましょう。屋外では日陰を確保し、こまめに水を与えるようにしてください。室内ではエアコンを上手に活用し、風の通り道を作ることが効果的です。


応急処置:すぐに涼しい場所に移動し、体を冷やすなどの処置を行ってください。そのうえで、できるだけ早く動物病院に連絡し、受診するようにしましょう。



<猫の場合>

予防法:日当たりのよい部屋に遮光カーテンを設置することが有効です。また、水飲み場を家の中に複数設置しておくことで、水分補給の機会を増やせます。高温になる場所には入れないよう、環境の見直しも必要です。


応急処置:冷却シートを使ったり、濡れタオルで体を包んで冷やしましょう。症状が見られたら、ためらわずに動物病院を受診してください。



<エキゾチックアニマルの場合>

予防法:ケージは直射日光を避け、通気性のよい環境に設置しましょう。また、保冷剤をタオルで包んで設置するなど、冷却グッズをうまく活用することも有効です。さらに、室温が一定に保たれるよう温度管理を徹底してください。


応急処置:症状が現れた際には、冷たいタオルの上に乗せて体を冷やすようにしますが、冷やしすぎには十分注意が必要です。体温を急激に下げると、別の体調不良を引き起こす可能性があるため、すぐに動物病院を受診しましょう。


いずれの場合も、応急処置はあくまで一時的な手段であり、早めに動物病院での診察を受けることが大切です。



よくある質問(Q&A)

Q:犬がハアハアしているのは危険なの?

A:運動後や興奮しているときに呼吸が荒くなるのは通常の反応です。しかし、休んでも治まらず、よだれが多い、ぐったりしているなどの症状がある場合は、熱中症の可能性が高いため、すぐに対処が必要です。



Q:車の中に犬を置く限界は?

A:たとえ数分であっても危険です。窓を少し開けていたとしても、車内温度は急激に上昇します。犬や猫を車内に放置するのは絶対にやめましょう。



Q:うさぎが横になっているけど大丈夫?

A:普段からリラックスしているときにも横になることはありますが、呼吸が早い、耳が熱いなどの症状を伴っている場合は要注意です。熱中症の可能性があるため、異変を感じたら早めに動物病院を受診してください。



Q:猫は熱中症になりにくい?

A:猫は比較的暑さに強いと言われていますが、完全室内飼育が多い現代では、締め切った部屋で熱がこもると熱中症になるリスクがあります。特に日差しが強い日は注意が必要です。



Q:エアコンはつけっぱなしにしないとダメ?

A:室内の風通しが悪い場合に限らず、エアコンはつけっぱなしにしないと危険です。温度は28度前後を目安に、動物が過ごしやすい環境を整えてください。


Q:夏以外でも熱中症になる?

A:春の暖かい日や秋の残暑、冬の暖房による高温環境でも熱中症は起こりえます。特に気温が急に上がった日は体が慣れておらず、リスクが高まります。室内であっても油断せず、温度や湿度の管理をしっかり行いましょう。



まとめ

犬や猫、そしてウサギやフェレットなどのエキゾチックアニマルの熱中症は、夏だけの問題ではありません。春の陽気や秋の行楽シーズン、さらには冬の暖房環境でも、動物たちは熱中症に陥る危険があります。


特に動物は体温調節が苦手なため、飼い主様の気配りが命を守る重要なポイントになります。季節を問わず、「少しでも様子がおかしい」と感じたら、無理に自宅で様子を見るのではなく、できるだけ早めに動物病院へご相談ください。


当院では犬や猫のほかに、うさぎなどエキゾチックアニマルの診療にも対応しております。分からないことがありましたら、お気軽にご相談ください。



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犬・猫・フェレット・うさぎ・エキゾチックアニマルの診療は『佐野動物病院』

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