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【浅草エリア】台東区で犬の椎間板ヘルニア手術ができる動物病院|佐野動物病院の手術実績と回復までの完全ガイド

  • 執筆者の写真: 侑姫 福原
    侑姫 福原
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  • 読了時間: 8分

「最近、愛犬の歩き方がいつもと違う」「背中を触ると嫌がる」などと感じたことはありませんか?それはもしかすると、「椎間板ヘルニア」の初期症状かもしれません。椎間板ヘルニアは、発症すると痛みや麻痺といった神経症状を引き起こすことがあり、犬にとって注意が必要な病気です。


特にミニチュア・ダックスフンドなどの胴が長い犬種では発症のリスクが高く、状態によっては外科手術が必要になることもあります。椎間板ヘルニアは、早期発見・早期治療が回復のカギを握るため、正しい知識を持っておくことが大切です。


当院では、これまでに椎間板ヘルニアを含む整形外科症例を累計1,000件以上対応しており、直近1年間でも椎間板ヘルニアの手術を約10件実施しています。また、重度の症例には即日手術が可能な体制を整えており、再生医療も取り入れることで、より幅広い治療の選択肢を提供しています。


今回は、犬の椎間板ヘルニアについてわかりやすく解説しながら、佐野動物病院で行っている手術方法や術後のケアなどについて詳しくご紹介します。



椎間板ヘルニアとは?

椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にある「椎間板」と呼ばれるクッション状の組織が変形し、その中の物質が飛び出してしまうことで神経(脊髄)を圧迫し、痛みや麻痺などを引き起こす病気です。


この疾患は、以下の2つのタイプに分類されます。



<ハンセンⅠ型>

椎間板の中にあるゼリー状の物質が突然飛び出してしまうタイプで、急激に症状が現れるのが特徴です。特にミニチュア・ダックスフンドやビーグル、コーギーなどの「軟骨異栄養性犬種」に多く見られ、遺伝的に椎間板の変性が起こりやすいとされています。若齢のうちから発症することも少なくありません。



<ハンセンⅡ型>

加齢などによって椎間板が徐々に変性し、硬くなった物質が少しずつ脊髄を圧迫していくタイプです。進行が緩やかで、高齢の犬によく見られます。犬種を問わず発症する可能性があり、慢性的な痛みやふらつきといった症状が出やすい傾向があります。



初期症状

飼い主様が気づきやすい初期症状としては、以下が見られます。


・歩き方がぎこちなくなる

・後ろ足を引きずる

・背中を触ると痛がる

・抱っこを嫌がる 


こうしたサインが見られた場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。



椎間板ヘルニアの診断と重症度

椎間板ヘルニアの診断は、症状の進行度や発症部位を正確に把握することが重要です。当院では、以下のような検査を組み合わせて、総合的に判断します。



<視診・触診>

まず、歩行の状態や背中の痛みがある箇所を確認します。



<神経学的検査>

痛みや麻痺の程度を詳しく調べます。反応の有無や足の動かし方、立ち上がりの様子などから、神経への影響を評価します。



<画像診断>

レントゲン検査やCT検査、MRI検査を実施することがあります。特にMRIは、軟部組織の状態をより詳細に確認できるため、椎間板の突出具合や脊髄への圧迫の程度を把握するうえで非常に有効です。



椎間板ヘルニアのグレード(重症度)

椎間板ヘルニアは、進行度に応じて「グレード1〜5」に分類され、症状や治療方針も異なります。



<グレード1>

痛みのみが見られ、神経症状はない状態です。この段階では内科治療や安静で改善が見込めます。



<グレード2>

足の力が弱くなり、ふらつきながらも自力で歩くことができます。軽度の麻痺があり、内科治療に加えてリハビリが推奨されます。



<グレード3>

歩くことができず、腰を支える力もありません。重度の麻痺があるため、多くの場合で外科手術が検討されます。



<グレード4>

後ろ足を完全に動かすことができず、排尿困難や感覚の消失が見られます。この場合、早急な手術が必要です。



<グレード5>

深部痛覚が消失しており、完全な麻痺状態です。手術を行っても、回復が難しいケースがあるため、早期対応が極めて重要です。



特にグレード3以上になると、外科手術が治療の選択肢として強く推奨されます。状態が進行するほど、手術後の回復率も低下するため、できるだけ早い段階で適切な処置を行うことが望ましいです。


当院では、手術だけでなく、再生医療を取り入れた治療にも積極的に取り組んでいます。これまでの実績では、再生医療によって歩行の改善が見られたケースは約60%にのぼります。また、グレード4以上の重度な椎間板ヘルニアに対して行う手術では、90%を超える高い成功率を維持しています。


なお、グレード5のケースでは、「脊髄軟化症」という重篤な合併症を発症するリスクがあるため、まずは再生医療から治療を開始することを基本方針としています。



椎間板ヘルニア手術の種類と方法

犬の椎間板ヘルニアに対する手術の目的は、飛び出した椎間板物質によって圧迫されている神経への負担を取り除き、症状の改善や痛みの軽減を図ることです。当院では、症例に応じて以下のような手術法を採用しています。



<片側椎弓切除術(へミラミネクトミー)>

背骨の一部を片側だけ切除し、神経の圧迫を除去する手術です。特に、椎間板が急に飛び出して発症する「ハンセンⅠ型」の犬に多く用いられます。背中からアプローチするため、切除範囲が広めですが、確実に圧迫部位を除去できます


片側椎弓切除後の脊髄神経。逸脱した髄核が神経を圧迫。
片側椎弓切除後の脊髄神経。逸脱した髄核が神経を圧迫。
摘出後の脊髄神経
摘出後の脊髄神経

<小範囲片側椎弓切除術(ミニへミラミネクトミー)>

上記の片側椎弓切除術と同様のアプローチですが、切除する骨の範囲がより狭く、犬の体への負担を軽減できます。手術時間も短縮できる場合があり、術後の回復も比較的スムーズです。



<部分的片側椎体切除術(ラテラルパーシャルコルペクトミー)>

「ハンセンⅡ型」に適応される手術です。変性によって硬くなった椎間板物質を取り除くために、背骨の側面から一部を切除する方法です。高齢の犬に多いこのタイプでは、柔軟な対応が求められるため、適切な術式選択が回復に直結します。



これらの手術法は、犬の状態や年齢、症状の進行度によって選択されます。当院では、術前のカウンセリングで飼い主様の不安や疑問にしっかり向き合い、最も適切な治療法をご提案します。



手術後のケアと回復プロセス

手術はあくまで治療の一部であり、その後の回復プロセスをどう進めるかも非常に重要です。



<術後直後〜数日間>

手術後は、痛みや麻痺の程度を見ながら安静に過ごします。必要に応じて鎮痛剤や抗生物質を使用し、体調を安定させることを優先します。この段階では入院管理となることが多く、獣医師が経過を慎重に見守ります。



<術後1週間〜2週間>

徐々に軽いリハビリを開始します。マッサージや関節の可動域を広げるストレッチ、立つ練習などを段階的に取り入れていきます。自力で排尿や排便ができるようになるかも重要なチェックポイントです。



<術後1ヶ月〜>

症状の改善が見られる場合は、お散歩や軽い運動を再開できるようになります。ただし、滑りやすい床での生活は転倒の原因となるため、マットを敷くなど環境面の工夫が必要です。また、再発予防のため、体重管理や適切な食事管理も大切です。



<ご自宅でのケアポイント>

術後の生活では、傷口の管理や急な動きの制限が欠かせません。また、無理のない範囲でのリハビリの継続と、定期的な通院による経過観察が重要です。飼い主様の協力が、回復に大きく影響します。



当院では、術後のリハビリとご自宅でのケアについても、しっかりとサポート体制を整えています。



当院の術後フォロー体制について

当院には、犬の椎間板ヘルニア手術を得意とする獣医師が在籍しており、これまでに全国各地から多くのご相談をいただいております。「インフォームド・チョイス(納得したうえでの選択)」を大切にしており、飼い主様としっかり話し合いながら、その子にとって最適な治療方法を一緒に選んでいます。


術後のフォローアップは万全の体制を整えており、「少し様子が変だな」「不安なことがある」といった時には、いつでもお電話でご相談いただけます。また、院内でのケアはもちろん、ご自宅でのリハビリや食事管理についても、丁寧にアドバイスいたしますので、安心してお任せください。



まとめ

犬の椎間板ヘルニアは、早期発見・早期治療によって予後が大きく変わる病気です。

当院では、これまで多数の整形外科症例に対応してきた実績をもとに、外科手術・再生医療・術後のリハビリ支援まで一貫して対応しています。重度の症例に対しても、即日手術の体制を整えており、再生医療を含む治療方針をご提案いたします。


また、他院で診断を受けた方のセカンドオピニオンのご相談も承っておりますので、愛犬の症状に気になる変化があった際は、お早めにご相談ください。

早期の診断と適切な治療が、愛犬の未来を守る第一歩です。




犬・猫・フェレット・うさぎ・エキゾチックアニマルの診療は『佐野動物病院』

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